問題 平面上に$$点P(2,1) および単位円 C:x^{2}+y^{2}=1 をとる。$$点PからCに引いた接線は2本あり、1本は点(0,1) でCに接し、他の1本は点QでCに接する。このとき、点Qの座標は(ア)である。 またC上の点Rに対して、
$$ベクトル \vec{PQ}, \vec{PR}の内積\vec{PQ}\cdot\vec{PR} の取りうる範囲は$$ $$(イ)≤\vec{PQ}\cdot\vec{PR}≤(ウ)である。$$
(北里大学 医学部 99)
解説 円の接線の扱い方は色々あります。曲線(ここでは円)の上の点と曲線外(円周上にはない)点が共に与えられています。どうしましょうか?
今回は『円の接線の公式』を使って見ませんか? いずれにしても必要な知識ですので。
”他の1本は点QでCに接する”・・・ここをうまく表現したいので、
$$点Q(x_0,y_0)$$とおいてQにおける接線の方程式を $$x_0x+y_0y=1$$ と表現します。
$$点Q(x_0,y_0)$$が満たす”条件が2つあります!”・・・これが分かればこの問題はぐうっと前進します。さあ、何でしょう?
それはまず 接線が点(2,1)を通ることから
$$2x_0+y_0=1・・・① をみたしますね。$$
$$さらに点Q(x_0,y_0)が円周上にあることから$$
$$x_0^{2}+y_0^{2}=1・・・② が成り立ちます。$$
①、②を連立させて $$2点の座標 (0,1), (\frac{4}{5},-\frac{3}{5}) が得られますが、Qは (0,1)ではない方ですから (\frac{4}{5},-\frac{3}{5})になります。(ア)$$
さて、後半はC上の点Rをどうするかですが、これは”円周上の点の表現”のバリエーションがあるかどうかという問題になります。ベクトルの内積計算と相性がいいのは次の置き方です。
Rは 単位円 $$x^{2}+y^{2}=1 $$上の点なので $$R(\cos\theta, \sin\theta )$$ とおくと
$$\vec{PQ}= (-\frac{6}{5},-\frac{8}{5})$$
$$\vec{PR}=(\cos\theta-2, \sin\theta-1)$$
あとはこれらの内積を計算するだけです。
$$\vec{PQ}\cdot\vec{PR}=・・・(計算)・・・$$
$$=-2(\frac{4}{5}\sin\theta+\frac{3}{5}\cos\theta)+4=-2\sin(\theta+\alpha)+4$$
$$ただし、\cos\alpha=\frac{4}{5}, \sin\alpha=\frac{3}{5}$$
角の範囲に制限はないので
$$-1≤\sin(\theta+\alpha)≤1を動きます。$$
よって $$2≤\vec{PQ}\cdot\vec{PR}≤6 (イ)(ウ)$$
となります。